備忘録メモ書き

研究や、読んだ本、思ったことなどをつらつらと。

論文の読み方

自分が行うべきと思う論文の読み方

修士課程の人間の戯言として。

個人的には論文の読み方は2パターンあると考えている。目的に応じて読み方を変えていくのが効率が良いかと。

1.最近の傾向を把握する目的

これは、そのままの通りである。今の流行りをつかむためにabstractとおおざっぱなスキームを読んでいくやり方で読む。

私の専攻する有機化学の分野は、とにかく文章よりもスキームを読むほうが圧倒的に分かりやすいし情報量が多い。他の分野でこれができるかは知らないが、ビジュアルにかなり依存する有機化学においては結構有効ではなかろうか。

当然、バックグラウンドなどをある程度知っていないとできないのがこの1.の読み方。なので、そのバックグラウンドを把握するには2.の読み方をする必要があると考える。

2.知識として定着させる目的

1.は流行りなどを把握するにはいいが、知識としての定着はあんまりしないと思う。そのため、特定の分野の知識(自分にはないもの)が必要となったときには次の読み方を推奨。

それは、精読とリファレンス。精読する際は紙媒体にすることが好ましい。紙は書き込めるし、情報のアクセスがしやすいし精読においてはこっちのほうが効率がよい。精読の際は、必ず別のノートやルーズリーフなどに論文のスキームをまとめるのがよい。また、分からない用語は調べ、原理などはリファレンスをひたすらあたる。かなり気が遠くなる作業だが、定着した知識はなかなか忘れない。それだけの価値がこの読み方にはある。

雑誌会などでは2.の読み方が効果的。これを実践した雑誌会は自分の中でも最高の出来で、尊敬する指導教員に褒められてとても嬉しかった。

 論文をひとつひとつ精読するには時間がかかりすぎる。論文を持ってきてはひたすら精読していたB4時代から、修士課程になるにつれてこういう視点を持つようになった。