個人的に優れた書籍を見つけたので紹介
宇都出雅巳 著
私自身がミスの多さに悩まされていたことが本書を購入したきっかけである。他人がどれだけミスを犯しているのかは知らないが、私はミスがかなり多いと感じている。例えば、実験の仕込みミスは日常的に起こし、~を忘れたということは大事な場面ではあまりないものの、日常の場面ではよく起こしていた。そこで、何かしらの対策を練るもののすぐにその意識は飛んでしまい次に同じミス・・・のような生活をしていた。特に忙しい状況では普段よりも多くなってしまっていた。
そこで見つけた本が本書「図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」である。文章も私のような本を日頃から読んできたわけではない人間でもわかる平易なものであり、図も豊富で読みやすい印象を受けたため購入した。
本書はミスを次の4つの種類に分けている。
・メモリーミス(~を忘れたなどのミス)
・アテンションミス(注意不足によるミス)
・コミュニケーションミス(情報伝達によるミス)
・ジャッジメントミス(判断によるミス)
特に私はメモリーミスとアテンションミスを起こしやすいとわかっていたので、そこについて重点的に読むこととした。ここでもその2点について要点を書く。
1. メモリーミス
メモリーミスはすなわち記憶に関するミスである。本文中では人間の記憶力がいかに信用できないかを述べ、そののちにメモリーミスの対策を示している。人間の記憶はよく言われる長期記憶と短期記憶に分けられ、日常においての司からの指示などは短期記憶に収められる。しかし、短期記憶はほかの作業をしている間にすぐさま忘れてしまうため、そこで「忘れてた!」となるわけである。
本文中では、メモを頻繁にとることがメモリーミスへの有効な対策であると述べている。人間の短期記憶はパソコンのメモリーのようなもので、いろいろな短期記憶が混在しているとすぐに満杯になってしまう。そのため、メモに移してメモリーを開放してやる必要がある。すると、そのことを自分自身は考えずともよくなるため、他の作業に集中でき、ミスが少なくなるということである。
2. アテンションミス
これは注意不足によって生じるミスである。メールの誤字・脱字などはこれに当てはまる。ここでも、アテンションミスの原因はメモリーの圧迫によるものであると述べている。すなわち、いろいろ考えることがありすぎるという状況が注意不足を引き起こしているということである。
そこで筆者は一つ目に、作業の基本を徹底することが重要であると述べている。初心者がミスをしやすいのは、その作業にメモリーのほとんどが食われてしまい、注意力がなくなってしまうためである。よって、基礎をしっかり押さえてメモリー容量を確保することが大切である。二つ目に、脳の外で考えることが重要としている。それはメモリーミスの時と同様、考えていることをしっかり書き出すことが注意力を散漫にしない方法である。確かに私自身、考え事をしながら作業をすることがあり、そういうときにミスが生じやすい気はしていた。
私自身あまりメモを取る人間ではなかったが、これを機にメモをできる限りとるようにしている。脳内のメモリーを開放するという考え方を本書から得ることができたのは大きな収穫である。